10月14日 佐久長聖中学校をお借りして開催された文教講演会。今年は小諸市子育て支援センターの木次幸子先生が「子供のサインに気付いていますか?~乳幼児期からの子供への接し方と親のあり方~」と題して、約2時間お話してくださいました。
録音したわけではないので、私が印象に残ったことをレポートしたいと思います。少しでも読んでくださっている皆さんの参考にでもなれば幸いです。
最近の子育ての環境は、昔と大きく変わってきています。
核家族化により母親ひとりでの子育てとなり、母子密着型、子育ての密室化になりがちなのが現状です。それにより母親への負担は大きく、社会から疎外されたような焦りや苛立ち、更には吐きだす場所もないストレスを抱え込み 「子育てなんか損!」と、せっかくの幸福を感じられないことも多くみられます。
また、子育てを重視できず独身生活と同じような「自己中心の生活」、「親性の崩壊」も起こってきています。それはとても悲しいこと・・・
「完璧な親はいません!頑張れるところまで頑張って」 私(木次先生)は、そう言います。あとは社会に任せればいいのです。
子供の環境も大きく変化し、「子供から“3間”がなくなっている」といわれます。
「空間」「仲間」「時間」
子供たちだけで外で遊ばせるのも難しい世の中、とても育てにくい環境にあります。登校拒否やいじめなど、子供を取り巻く多くの問題もあります。
ここで、今一度子育ての意義の見直しをしてみましょう。
“優しく、個性豊かに” 人格というものは「三つ子の魂、百まで」と言われますが、幼児期に形成されます。「愛しむこと」を忘れず、上手く息を抜きながら子育てしましょう。“息抜き”は“手抜き”ではありませんよ。大切に、穏やかに、安定した気持ちで子供に接しましょう。子供と一緒に育つ・・・親学です。
躾(しつけ)とは、漢字を見れば「身を美しく」と書きます。基本的生活習慣は、生きていく上で大切な習慣です。味覚・睡眠・排泄・着衣・清潔。
「味覚」は4歳までに育ちます。辛・苦・酸・渋・・・などできるだけ多くの味を経験させ、バランスの取れた食事を心がけましょう(1日30品目と言われます)。特に朝食は大切!起きて30分は胃が働きません。早めに起こして、しっかり朝食を食べさせないと、園に行ってから活動ができません。
「睡眠」は、早寝・早起き。親の勤務体制などで、夜型の子供も増えています。「だって寝ないんだもん」・・・子供は起こしていればいつまでも起きています。9時10時まで親がテレビをみているのではなく、見たい番組はビデオにとっておいて15分でいいですから一緒に床に入りましょう。絵本を読み(もういっかい、と言われれば2、3回までは読んであげてください)、電気を消して子守唄を歌ってあげれば自然に寝ます。夜9時に寝て、朝7時に起きるのが理想ですね。
「着衣」「排泄」は、やりたい時にやらせてあげましょう。その時期を見落とさないように。
きっちりした「けじめ」も教える必要があります。
①やってはいけないことを、きちんと叱る。子供のやりたい放題は、愛情ではありません。
②良いこと、悪いことを覚えさせる。
③何が悪いのか、しっかり教える。
④人を傷つけること、自分を傷つけること、物を壊すことは絶対にいけません!投げていいのは、ボールだけです。
⑤媚(こ)びることは、絶対に教えてはダメ!後で大変なことになります。
⑥家族(夫婦)同じ姿勢、同じ気持ちで接しましょう。母親に聞くと「いいよ」、父親に聞くと「いけない」では子供は分かりません。
⑦子供を叱るときは、本気で毅然とした態度で叱る。子供が“叱られた”という感じがないと意味がありません。しかし、長く叱ってもダメ。子供の集中力はいいとこ1分から1分半です(笑)
また、子供にもプライドがあります。人前で叱らず、誰もいないところで叱りましょう。
子供は遊びの中で、多くのことを学びます。子供同士の関わりから育つものは大きいのです。
一人遊び→集団遊びになり、優しさや思いやり、意欲、満足感などを学びます。おもちゃの取り合いで親同士が謝っている風景を良く目にしますが、「どっちが勝つかしら?」と見ていていいのです。負けたほうは悔しい気持ちを覚え、勝ったほうは満足感を覚えるでしょう。人が嫌がることをしない、我慢することも遊びの中から育まれていきます。
親が子供に接するとき、決して長い時間でなくてもいいんです。30分!子供と真剣に遊んであげてください。一緒に遊んでいるだけで子供は満足します。一緒にお風呂に入ることも良いですね。
忙しいから・・・ついつい「早く!」 子供が話してきても「なんだ、そんなこと」
子供は心が満たされず、寂しい思いをします。褒める、喜ぶ、少し大げさに、密度の濃い関わり合いを心がけてください。褒めることは大事なこと。安定した快よい生活を送ることができ、感性豊かな子になれます、また自分をコントロールできる自制心も芽生えてきます。
親だって完璧ではありません。失敗は素直に謝りましょう。
「お母さん、ちょっと怒りすぎたね。ごめんね。」
私(木次先生)も、息子が夏休みの宿題が終わったと言って友達と遊びに行った時、プリントを見てみると空欄があったので、帰ってきてから外でバケツの水を3杯、頭からかけて叱ったんです。あとで「怒り過ぎたな・・・」と思って謝ったら、息子は『うん、分かってるよ。・・・でもね、あそこは○○先生が習っていないところだからやらなくていい、って言ったんだよ。』 ・・・なんて母親でしょう!(苦)
子供のサイン、必ず「こっち向いてよー!」という心の叫びは兆候として出ます。
すねる、泣く、言葉が荒くなる、イライラしている、爪を噛む、夜中泣いて起きる・・・お腹が痛くなれば重症です。
そんな時は、まずは安心させてあげてください。向かい合うだけで、子供と心が通じます。
子育ては、一人ではできません。家庭、家族が基盤です。
講演:小諸子育て支援センター 木次幸子氏
最近のコメント